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『劇場版モノノ怪』時系列解説

序説

劇場版第三章にして

壮絶なる終章、誕生。

世界中のファンの熱意を受け、伝説の作品が新境地に到達―。
2024年に始まった『劇場版モノノ怪』三部作。第1作『劇場版モノノ怪 唐傘』は多くのリピーターを生み出す熱狂に押されて驚異のロングラン上映を記録した。
続く2025年3月には続編となる『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』が劇場公開。
加速する物語と深まる人物描写、進化したグラフィックに対する絶賛は国内にとどまらず、 カナダ・ファンタジア国際映画祭にて長編アニメーション部門の観客賞を2作連続で受賞する快挙を成し遂げた。

そして2026年5月――謎と思惑が渦巻く女の園・大奥を舞台にした壮大なサーガが、第三章にして完結を迎える。
世継ぎの死に端を発する一大事の中で遂に明かされるは、大奥内で永きにわたりひた隠しにされてきた《最大の秘密》。 大奥誕生の陰に在ったからくりと女中たちが信仰する〝御水様〟の正体、時を超えて交錯する切なくも凄絶な情念、あの日埋もれた咎と罪、繰り返される悲劇―。
その真実を主人公・薬売りが見据えた時、大奥を根底から揺るがす過去最恐のモノノ怪が形を成す。
骨をも砕くほどの怨念に襲い掛かられ、絶体絶命の死地に瀕した薬売りの運命は?
『モノノ怪』の真骨頂である和紙テクスチャを活用した絵巻物のように絢爛豪華な世界観と外連味あふれる立ち回りが織りなす高密度な映像体験は、本作で極致へと到達。
その果てに待つのは、誰もが想像し得ない尋常ならざる展開と壮絶極まりないラスト。いざ最後の〝救済の儀〟が始まる。

物語

退魔の剣を携えた薬売り(神谷浩史)と唐傘による死闘、その後に巻き起こった火鼠との決戦というモノノ怪が絡んだ2つの大事件を経て、遂に平穏が訪れたように思われた大奥。だが、薬売りは未だ消えない〝何か〟の気配を感じ取り、警戒を続けていた。そんな折、世を統べる天子(入野自由)の正室である御台所・幸子(種﨑敦美)が待望の男児を授かるも喜びは束の間、周囲の期待と祈りは届かず亡くなってしまう。
世継ぎを産むことで天子との形だけの夫婦関係を変えたいと望んでいた幸子は、どん底のなか大奥の存在を覆す恐るべき謀略に巻き込まれてゆく。取り返しのつかない犠牲がまるで報われない無念と行き場をなくした怒りは、やがて怨念へと脱皮し始め――。大奥内の信仰〝御水様〟の司祭・溝呂木北斗(津田健次郎)は、事の成り行きを神妙な面持ちで見つめていた。時を同じくして、不自然な地揺るぎ(地震)が大奥内で頻発。まるで巨大な生き物が這いずるかのような不気味な胎動とどこからか舞い落ちる三角の鱗、それを皮切りに女中が身体をねじり潰され、絞め殺される怪事件が発生。駆け付けた薬売りの前に姿を現したのは、大蛇の形を宿したモノノ怪・蛇神だった。にらみ合いの末に一時は御札で撃退するも、【形・真・理】の三様を突き止めねば〝退魔の剣〟は抜けず、蛇神を斬ることはできない。蛇神は何処より生まれ出ずる怪異なのか、なぜ大奥を吞み込むほどの怒りを宿すに至ったのか、そして今、鎌首をもたげ動き出した理由は――その根源は150年の時をさかのぼり、大奥誕生の真相に秘められていた。
かつて、三代目天子の乳母・天局(ゆかな)が生み出した大奥。その仕組みにより泰平の世が続き、いまでは「御水様」として崇められているというが……。不穏な気配を感じ取った薬売りは祭壇の中心部である祠へと赴き、これまで決して語られなかった天下を揺るがす衝撃の真実を知る!三代目御台所(沢城みゆき)と天局の因縁、溝呂木家の秘密――さらには、大奥でモノノ怪が立て続けに出現した背景も暴かれ、全ての線が一本につながる。大奥の負の歴史そのものといえるモノノ怪に、全てを懸けて立ち向かってゆく薬売り。だが、積年の恨みを己が力とし、想像を絶する強さを有する蛇神を前にかつてないほどの窮地に追い詰められ……。命に牙が迫るなか、さらに予測不能の異常事態が畳みかける! 最大の危機に直面した薬売りの運命は――。